(豊臣五奉行の一人増田長盛の墓) |
説明書きには、徳川幕府によって岩槻に配流され、高野山で愛息が没したことを知って、自刃したと記してあった。その墓を、松平家の手によってこの地に移したとのことだ。
この墓を守っているのは、武蔵野の古刹、平林寺だ。平林寺は、知恵伊豆として名高い松平伊豆守信綱の菩提寺でもある。時の権力者の力量を知るには、その松平一族の墓群を見れば納得できる。圧倒される、墓域である。その墓の豪壮さにも驚かされる。
栄枯盛衰は世の常とはいえ、その隔たりの大きさを知らされた思いである。
(増田長盛の事績の説明板) |
国会での絶対多数は、驕りさえ生んでおり、法律さえもかって解釈で捻じ曲げてしまう。
あたるところ敵なしといったところだ。
その安倍政権でも、大きな弱点はある。どんなに虚飾を誇ろうが、正論(雑誌名ではない)には勝てはしないということだ。つまりは、国民の目を怖がっているということ。
先の参議院選挙で、念願の2/3勢力を確保したのに、国会論戦では、信念としている憲法改正問題に直接触れることを、忌避している。突っ込まれるのが怖いからだ。自民党草案などという、ばかげた土台では闘えないことを承知しているからだ。ふざけた話である。
(歴史を見つめる樹齢数百年の槙) |
驕りが嵩じると、人命をも軽んじるらしい。南スーダンでの駆けつけ警護任務付与問題で、現地視察に行った稲田防衛大臣の報告には嘘がある。嘘をついてまで、自衛隊員を危険に晒そうとしているのだから、その罪は重い。
10/15のTBS報道特集で、その報告の嘘を暴いてくれた。画面では、現地の状況を説明する自衛隊の指揮官が、ハッキリと7月の軍事衝突をさして「戦闘」があったと、稲田大臣に説明していた。その様子も声もしっかりと確認することができる。
白紙領収書問題では、非常識ぶりを発揮したどころか、法律の解釈さえ替えようと開き直った三閣僚。それを公然と肯定した総理大臣。この国の指導者?は、驕るだけでなく、腐敗していると言ってもいい。
―驕る平家は久しからずや―ではないが、「驕る安倍らは、久しからずや」となるであろう。天罰は必ず下る。
平林寺の老いた槙は、その盛衰の歴史をその年輪に刻み込むことであろう。間違いはない。