2012年1月27日金曜日

昭和は遠くに----

 小学3年生の孫娘が、学校で「昭和時代の道具」について勉強しているので、我が家にも何かないかと問い合わせてきた。あらためてそう問われると、団地住まいの我が家には、地方の農家のように古い道具が置かれているわけでもなく、あれこれと探してみたが、相応の道具を見つけることができなかった。
 見つからないとの返事にガッカリしていた孫娘を励まそうと、所用で埼玉県の新座市に出かけるおりに、孫娘を同行して「昭和探し」をすることにした。デジタルカメラを片手に、一寸したハイキング気分で歩くことにしたのだ。しかし、いざ探すとなるとなかなか見つからないもので、「昭和の道具」と限定されると、昭和から現代まで使用しているものはどうなんだろうなどと、その判断に迷ってしまい、なかなかこれはというものを見つけることができなかった。
 
 あれこれ探していると、「おじいちゃん、あった、あった」と孫が目を輝かせて駆け寄ってきた。そして、写真の赤いだるまポストを見つけてすぐにシャッターを押した。 その後も、こ一時間ほど探し歩いたが、これはというものには出会わなかった。建設現場に作業用の一輪車があったりしたが、「平成の道具」の面も多いということで写真には撮らなかった。難しいものである。

 自宅に戻ってから、孫が、道具入れの中から七輪を見つけてきた。孫の感性では「昭和の道具」に見えるようだ。本人がそう言うのだからと写真に撮った。「七輪は江戸時代にもあったんだよ。煮炊きは、七輪ですることが多かったようだよ。」と一応の説明はしたが、他にこれはというものもなかったので、この写真も学校に持っていくことにしたようだ。

 私も64歳の半ばになっている。平成の今上天皇も相当の年齢となっている。私の周りでは、平成生まれの孫たちが飛び回っている。「昭和の道具」を探すのにひと苦労するようになったということは、昭和がだんだん遠くになりつつあるということらしい。-昭和は遠くになりにけり-は、言葉ではなく実感として受け止めざるを得ないようだ。


 

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