2016年7月16日土曜日

参院選を終えて思うこと。

(参院選の結果を伝える東京新聞―7/11)
私にとってはおぞましい限りの結果であった。

投票した国民を呪っても仕方のないことだが、恨みたくなってはしまう。この国の民は、結果的には戦争への道を選択し、戦争への加担を決めたということになる。だが、そう選択した人のほとんどが、そのことに気づいていないから泣きたくなってしまう。EU離脱を巡っての英国民のように、投票後に後悔などはして欲しくはないのだが、我が国の民は後悔する理由さえ分かっていない。

ある調査によると、今度の選挙のキーワードになっていた3分の2の意味するところを、80%近い有権者が理解できていなかったというのだから驚きだ。それだけではなく、自民党の改憲草案に目を通した人が20%にも満たないというのだから、何を基準に自公政権に投票したのかと、文句を言いたい気分だ。それでいて、現憲法を安倍政権の下で変えるのは嫌だという有権者が50%もいるのだから、二重に驚いてしまう。何を考えているんだと言いたい。

と、有権者を責めるよりは、自公政権の争点ぼかし、いや争点隠しを打ち破れなかった、我々憲法擁護勢力の非力さを反省すべきなのだろう。とにかく選挙戦は結果としては負けた。

 こうした敗戦の中でも、次の闘いに希望を持たせる特徴ある結果も生まれた。それは野党共闘が一定の役割を果たし、その戦い方によっては自公政権と互角以上に闘えることを立証できたということだ。

野党統一候補が勝利した沖縄や福島は、基地問題や原発問題を明確に争点として闘って勝利した。又、青森・岩手・宮城3県は震災復興とTPP問題を争点として闘い勝利した。更には山形においては、TPP問題を前面に据え、農協改革まで踏み込んで争点とし勝利した。

新潟では、原発問題とTPP問題を中心に据えて闘い競り勝ったし、隣の長野県や山梨県では教育問題や表現の自由問題を争点として勝利した。争点が有権者の要求にマッチしたところの闘いは、統一候補が勝利しているのだ。この事実はものすごく意義のあることだ。1強と言われる自民党を、自公連合の形のまま破ったのだから、その威力はとても大きなものだと大いに評価できる。



北海道から三重までの戦いぶりは、互角以上の闘いだったと言っても良い。決して、自公の独占など許してはいないのだ。

しかし、岐阜以西となると、近畿・北陸・中国・四国・九州と沖縄を除いては、大分でかろうじて勝利したのみという全くの惨敗に終わってしまった。この惨敗が、改憲勢力の3分の2議席獲得を許すこととなった。

何故西日本では惨敗したのか、今後の課題として真剣に検討しなければならないと思う。特に近畿圏でのおおさか維新の暗躍を止めない限り、同地域での勝利など覚束ない。おおさか維新は、間違いなく国民に害をなす勢力なのだから、その対策は真剣に考えなければならないと思う。

選挙後、安倍はその本性を現して、日本会議の後ろ盾を得ながら、改憲に突き進むことは間違いがない。いくら公明党が騒ごうが、大阪維新や民進党右派を取り込むつもりなのだから、何の足しにもならないとして切り捨てられるばかりだ。むしろ政教一致を理由に、学会潰しに走ることは間違いのないところだ。山口や北側が慌てても遅い。その責任の重さにうちしがれる日も遠いことではない。今から覚悟しておくことだ。

改憲勢力との戦いは、市民と力を合わせての野党共闘以外にはない。民進党は、内部の膿を出し切る必要があるが、そのことがプラス作用することに自信を持つべきだと思う。自浄成った民進党と共産党とが中心となって統一行動を行えば、改憲勢力との戦いに勝利することは決して夢ではない。沖縄・福島の教訓を大いに生かそうではないか。

次の衆議院選挙には、野党共闘で必ず勝利する。




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