2012年11月9日金曜日

盛りは過ぎても…。

(蕾から咲きはじめの姿)

 数年前に息子から妻にプレゼントされたミニバラは、今年も何度目かの開花を迎えた。

 3枚の写真は、特にきれいに咲きそうな部分を摘んで、咲き始めから咲き誇るまでを撮ったものだ。わずか何日間かの移り変わり様であったが、見つめているだけでも心弾むものであった。ベランダの花を、このようにじっくりと観察したことはなかったので、あらためて花の持つ神秘さに触れた思いである。

 妻が突然に具合を悪くした。
めまいと吐き気で、布団から起き出せなくなってしまったのである。歩いてトイレにも行けなくなり、食事もとれず嘔吐を繰り返すばかりであった。 突然のことであっただけに、私はオロオロしてしまい、救急車を呼ぼうとしたが、妻に止められてしまった。少し様子を見て欲しいというのだ。

(咲き始めた姿)
食事もとれず起き上がることもできないままに1日が経過してしまった。喉を通したのは、ヨーグルトと麦茶だけで、食べやすいようにと炊いたお粥と野菜のやわらか煮にも手を付けることができなかった。

 夜、娘から電話があったので状態を話すと、どうして病院に連れて行かなかったのかと叱られてしまった。妻の頑固さを知っているはずの娘なのに、生意気にも親を叱るのだから、それだけ成長し、本当の大人になったと言うことなのであろうか。変なところで、感心してしまったものだ。

 1日おいて、妻の状態も少し良くなったので、
朝一番で病院に行かせた。連れて行くと言っても
(咲き誇っている姿)
歩いて行けるからと、自分一人で出かけて点滴を受けてきた。その効果もあってか、昼時分にはお粥も食べられるようになり、ホッとさせてくれた。更年期障害の典型的な症状であったようである。体が急に熱くなったり、冷えたりと、自分でもコントロールができなかったようであった。

 63歳直前の年齢は、その盛りが完全に過ぎ去ったということでもあるようだ。2歳年上の私などは、特にそのことを切実に実感している。妻の突然の変調は、盛りを過ぎた人生を、二人してどう生きるかを真剣に考えよという、何らかの啓示なのであろうか?
 
 とにかく、私たちは写真のような盛りは過ぎたのである。だから、姿かたちは咲き誇れなくとも、心の充実を目指して、お互いの生きざまを誇れるように努力したいものである。老いてもますます盛んであることを示したいものだ…。
 
 

 
 

 

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