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(再掲示/トイレットペーパーの芯で作った飛行機) |
5/31付投稿で示したように、ヘイト攻撃等に見られる民族主義の台頭が顕著となってきた。特に第一次安倍内閣時にその兆しが表面化して以来、くすぶり続けながらも浸透し、第二次安倍内閣に至って、急速にその実態を露わにするようになった。第三次安倍内閣からは、その実態を隠そうともせずに、表面に出てきた。
出てきた新興右翼組織の中には、あろうことか天皇への批判めいた街宣さえ始めているものもある。軍国主義復活のためなら、支柱と仰ぐ天皇さえ攻撃対象にしているのだ。安倍の今上天皇に対する姿勢の表れと言ってもよい。彼らにとっては、天皇は担ぐ神輿に過ぎないということなのだろう。
当初は、暴対法の関係からか、暴力団くずれの政治結社が急増して、街宣車などで騒いでいる程度だった。が、現在はその様相ががらりと変わってしまった。軽トラから大型トラックへぐらいの変化である。右派理論家を交えて理論武装し、いずこからか資金調達もして組織だった運動を展開し始めているのだ。横の連絡体制も取れているようで、侮りがたい存在となっった。ヘイト攻撃は、そうした連中が組織だって行っているもので、散発的な暴走行為ではない。この国を戦前の体制に戻そうとの目的意識をもって、排斥運動を繰り返しているのだ。欧州における、右派の台頭やネオナチ運動と同質と言ってもよい。
右派理論家として目立っている櫻井よしこなどは、そうした連中のマドンナ的存在として祭り上げられている。言論界やマスコミだけでなく政界(特に革新系)への罵倒と中傷を展開しているが、その主張には正当性のあるものなどはなく、ほとんどがデマと欺瞞に満ちたものばかりだ。こうした右派理論家は、政界の中にも入り込んでいる。安倍晋三、稲田朋美などはその代表と言ってもいい。
そうした右派民族主義者のデタラメぶりは、先の朝日新聞社記者攻撃などでその典型を示した。が、現在では、その虚偽主張を告訴されて言い訳も出来ず窮地に立たされている。先の東日本大震災を利用して、緊急車両ガソリン不足をでっちあげ、緊急事態法必要論を展開したが、TBS[報道特集」でその嘘を暴露され、反論さえできずにいる。嘘を平気で言いふらし、人権さえ無視したその手口は、ヘイト攻撃に狂奔する連中と同じで、この国を暗雲で覆い隠そうとしている。
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(再掲示/紙飛行機の編隊) |
その暗雲の本体である「日本会議」は、言わずと知れた日本最大の右派的民族主義者の集合体である。憲法改正で9条を葬り、自衛隊を国防軍とし、天皇を国家元首と仰ぎ、戦前の軍国主義復活を狙う、時代錯誤もいいところの民主主義破壊の一大組織である。
自民・民進(松原・前原など一部)など政治家も数多く参加しており、実質的に今日の日本を動かしている組織だ。もちろん、安倍や麻生もその名を連ねている。稲田朋美なども幹部格として同然に名を連ねている。櫻井よしこは、その思想的理論部隊の宣伝隊長といったところであろうか。
この「日本会議」が、政界だけにとどまらず、経済界、宗教界、スポーツ界、一般社会にまで浸透していることは意外に知られていない。
形を変え名前を変えて、業界や商店会、町会にまでも食い込んでいるのだ。彼らの言うところの草の根運動によってである。巧妙なのは、その運動が、気づかれないうちに進んでいるということだ。え、あの人もと言う具合にだ。あの実直そうな舞の海が、その旗振り役の一員だなどと誰が信じられようか。意外な面々が、意外なほどその名を連ねている。知られずにその浸透を果たしているということだ。
具体的なところでは、町会活動にもその典型が見られる。日常的な町会活動が、日本会議の手助けになっている、などと気づく人は誰もいない。それだけに、変わりゆく自分に気づくこともほとんどない。でも、長年の間に確実に右派思想がその身ついて、何の不思議も感じなくなってしまっている。残念ながら、私の身近にもそうした人が多い。そこでその一人を例に挙げる。
その知り合いは、青年時代には「民青」と言う共産党系と言われる組織に入っていた。その後、親の代からの店舗(食料品店)を引き継いで、やはり共産党系と言われる「民商」という組織にも入っていた。しかし、、地元商店街の有力者(自民党員)からの影響が大きかったのか、やがて区議会議員は地元出身者をと言うことで、その自民党区議の後援会有力者となった。それでも当初は、都政や国政は革新系でなければと言っていたのだが、町会の幹部になったあたりからは、完全な自民党支持者となり、現在では自民党員として動き回っている。「日本会議」などの草の根運動の成果?だといってもよい。おそらく当の本人は、何も気づいてはいないと思う。日本会議の草の根運動は、その裾野を広げるところにその運動目標を置いている。だから、地方議会の中に占める会員議員の人数は驚くほどに多い。
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(再掲示/100円ショップで買い求めたゴム鉄砲) |
「民青」とか「民商」とかは、思想の革新性を求める割に実利を与えるという側面が少ない。ある面運動体と言うことで、実利よりも運動優先と言った組織ともいえる。その点、商店会や町会などは日常の繋がりが多いことから、隣組的連帯感が生まれ、交流の中で実利感も得ることができる。ここで言うところの実利や実利感とは、経済的な面だけでなく、友情とか友好的交流とか、心の充足感とかを総称したものだ。具体的な表現は難しいので、感覚的に理解して頂ければと思う。
その実利感は、町会と言う組織ではさらに強くなって、地域の中での自己の存在感を味わうことになる。存在感は、自己の役割が大きくなればなるほど、満足感へと変わっていく。これは、名誉欲とか出世欲とは違ったものだ。存在感から精神的満足感を得たいという、単純な自己満足的欲望だと私は理解している。そう考えると、保守的であるはずの町会長に、無欲でお人好しの人が多いのも頷けるはずだ。叙勲を受けることが最高の幸せと考えているような人たちだ。更に付け加えると、こうした活動ではその伴侶も、本人同様に満足感を得ている場合が多く見られる。婦人部活動と言う名で、本人と一緒に町会活動にいそしんでいるのだ。草の根運動は、こうした形でもその裾野を広げている。日常的な活動であるだけに、遠くの親戚よりもその繋がりは深い。その深い関係の中で、「日本会議」は影響力を強めているのだ。
この町会の組織と同様に、納税協力会とか、青色申告会とか、法人会とか、交通安全協会とか、自衛隊協力会とかでも地域を通じた仲間意識が育まれ、それぞれに精神的満足感を得ようとする人たちが集っている。それぞれの役員を兼務する人も多く、その繋がりは予想外に広く強い絆を見せている。そして、こうした繋がりの多くが、保守系区議や保守系市町村議員を支えることになる。その後援組織が、都政や県政・国政議員を支える基礎組織として働く。考えるまでもないことだ。経済団体や業界団体でも同様なことが起っている。宗教団体などでも当然のように起っている。保守基盤は、こうしたものの集合体で成り立っていると言っていい。だから、強固なのである。
宗教団体と言えば、公明党を支える創価学会にしてもしかりである。「日本会議」と創価学会とがどう繋がるのかと不思議に思えるだろうが、さにあらずなのだ。そこには、選挙制度の問題が大きく関わってきて、政権に足を突っ込み過ぎ抜きさしならなくなった公明党の事情もある。同党は、小選挙区制によって自民党を支えられるようになり、その存在意義を主張できるようになったはいいが、政権欲に捉われたことで、今では自民党の創価学会対策部として働くようになってしまった。真面目な学会員こそいい迷惑であるが、そこはそれ、信じることが第一とする宗教団体の特質もあるから、なかなか気づく人は少ないようだ。昨年の安保法制で目覚めた学会員も多くなってきてはいるが、学会そのものをも動かすほどの高まりとはなっていない。安倍政権打倒を目指すなら、それらの人たちを励まし支援することが肝要だと思う。そして、この励ましや支援こそが、安倍政権打破の重要なポイントとなるはずだ。
ここまでまわりくどく、ヘイト攻撃や民族主義の台頭、それに町会や宗教団体にまで触れてきたのは、「日本会議」の草の根運動が予想以上に浸透しているということ、それも恣意的に巧妙に張りめぐされている、ということを知って欲しいがためである。私にも、誰がいつから計画し実行しだしたかは定かでない。しかし、現に、メディアに対してはその効果を上げている。圧力によって萎縮させた等は、その端的な例だ。NHK会長人事に介入し、傀儡的人物を送り込むなど、その証拠だと言えるのではなかろうか。放送法を盾にされて、圧力に屈してすっかり委縮し、メディアとしての気概すら示せなくなっている現状は、[日本会議」の狙いだったと言ってもいい。高市総務大臣の高圧姿勢などは「日本会議」の勝利を宣言しているようなものだ。
以上の考え方はあくまでも私見であるので、批判があって当然のことと思う。戦争を憎むあまり、安倍自公の暴走を阻止したいがための偏見であるかもしれないが、お許しを願いたい。次にその私見を纏めてみる。その上で、本題とした【国民はなぜ安倍内閣を支持するのか】についてを考察する。思い付きの考察だと不快に思われたのなら早速の離読をお願いする。
サブリミナル効果?
かって、オーム真理教事件でサブリミナル効果と言う言葉が、マスコミを賑わした。潜在意識への繰り返しの問いかけにより洗脳するという意味合いだが、オームはその罠を信者に対して巧妙に仕掛けていた。教材・宣伝アニメの中に、浅原の映像を密かに埋め込んだとか、なんとか帽子とかを被らせて微弱電流で脳に刺激を与え、その効果を高めるとか、マントラ(経文)を唱え続けることで夢遊病的境地に立たせ、ジャンプを浮遊だと誤魔化して超人意識を持たせるとか、実に巧妙に信者を操った。
そのサブリミナル攻撃が、長年にわたってこの国になされている。そして、その効果がここ数年の間に急速に表れだしたのではないか、というのが私の持論である。もちろん、「日本会議」の恣意的な思惑によるものであることは言うまでもないが。
そんな、馬鹿な話がと笑い話にされそうだが、決してそうではない。前の投稿でも触れた―基本政策の支持が少ないのに高支持率を保てる不思議―を解明するためには、そのサブリミナル効果が、この日本にどういう現象を引き起こしてきたかを確認することが必要だ。と同時に、そのサブリミナル攻撃がどのようになされているかの検証も必要となる。そして、その検証が終われば、笑い話でないことが理解できる。
サブリミナル効果を上げるためには、その対象者が影響されやすい状態であることが望ましい。つまりは、真理についてを余り深く考えないようにさせてしまうということだ。事実かどうかは確認のしようがないが、かってアメリカは日本占領を続けるためにと、日本人に対して白痴化政策を仕掛けていたという話が流された。退廃文化を押し付けて考えさせなくしてしまおうとの政策だったというのだ。笑い話のようだが、かってはともかく、現状において白痴化現象が起こっているというのは事実のようだ。それも国民の大多数に及んでいると言っていい。
満員電車の中でもスマートフォンを手ばさない姿や、シルバー席を陣取って障害者を見向きもせずにゲームやメールに熱中している姿、座っているいないに関わらず携帯を絶対に手放さない老若男女、交差点内に子供を置き去りにしたことを忘れてメールする母親、片手自転車運転でメールする若者、歩きスマホに夢中な高校生などと、この国では、携帯(スマートフォン)を例に取り上げても白痴化現象が確実に進行していることが証明されている。このような人たちの多くは、スマホの世界に入り込んでいて、他を考える余裕をさえ失っているのだ。つまりは、麻薬患者が麻薬を欲しがるがるような状態に陥っており、付け入られ易くなっているということだ。サブリミナル効果がでやすい環境をスマホを通じて、自ら作っているのだ。
メディアだけでなくあらゆる組織や団体を通じて、長年に渡りサブリミナル攻撃が続けば、人間の思考方法が変化するのは当然のことだ。それも、本人が気づかないうちに仕掛けられているのだから、防ぎようもないことである。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、町会の回覧板や掲示板、業界新聞や役所の広報誌等、その伝達手段は無制限だったと言ってもよい。「日本会議」と言う危険な組織が、その恣意をもって仕掛け続けたとすると、その効果のほどは知れようというものだ。
戦後の日本人は、先の大戦の反省から平和憲法のもとに、貧しいながらも民主的な教育を受け、戦争のない国家、戦争しない国家を国是として歩んできた。だから軍隊は勿論、武器の製造をもさえ許してこなかった。教育現場では、民主主義の普及のためにと自由な教育が施こされた。又、国威だと称して国旗の掲揚や国家の斉唱などが強要されることもなかった。個人の尊厳が大切にされていたからだ。こうしたことが戦後の私たちには、当然のことであったのだ。
しかし、国を誤らせた戦犯たちが許されて蠢動し始めてから、この国の先行きに齟齬が生じるようになった。安倍晋三の祖父A級戦犯岸信介、同じく賀屋興宣、児玉誉士男、笹川良一等の暗躍が始まると、敵国であったはずのアメリカとの同盟第一に、この国を反共浮沈戦艦とするべく憲法改悪の旗印を掲げるようになった。この段階から事実上の解釈改憲が行われ、警察予備隊、保安隊を経由して今日の自衛隊が創設された。そして、この時から、自衛隊の合憲か否かの論争が始まったのだ。
この時期に、日本帝国への回帰を願う思想が形成され、その中核に生長の家の学生組織が座って活動を始めた。その後その学生たちが中心となって立ち上げたのが「日本会議」の初期組織である。彼らは草の根運動を続けながら、この国の要所要所にその種をまき散らし、長年をかけて右派組織をまとめこの国の右傾化を画策してきた。
小泉政権下で、政権に入った安倍晋三は、祖父岸信介に心酔して、改憲を自己の政治目標と定めて自民党内外で活発に動き始めた。その行動と併せるがごとくに、「日本会議」の活動も活発となり、櫻井よしこなどが右派論客として持てはやされるようになった。草の根運動が「日本会議」の恣意のもとに本格的に活動しだしたのはこの頃からである。サブリミナル効果を狙ったかどうかは定かでないが、あらゆる組織にその根が蔓延るようになった。
教科書問題が騒がれ、慰安婦問題や南京事件等の歴史修正が取りざたされたのもこの頃からだ。国旗掲揚や国歌斉唱を義務付けようと策謀しだしたのもこの頃である。東京都知事となったワンマン石原慎太郎もその役割を大いに担った。彼の領土問題への口出しは、この国の民族主義台頭を促進させたと言ってもよい。現在騒がれているオリンピック招致なども、彼の名誉欲から出発したもので、100億円からの無駄遣いをしただけでなく今日にまで騒ぎの種をまいてしまった。責任も負わず火消もしない本当に罪深い男である。
この領土問題(尖閣諸島や竹島等)からの国防意識は、中国の台頭と北朝鮮の核開発とが絡み合って、周辺危機と言う形で国民の間に浸透させられた。それに合わせての安全保障論議も意識的に活発化され、アメリカとの同盟強化論へと誘導されることとなった。つまりは、国民の間に、こうして考え方が刷り込まれたということだ。だから、安保法制への闘いが高まっても、その強行が為されても60年安保闘争のようには盛り上がらなかったのである。草の根運動と白痴化作戦?の大成功と言ったところだ。
特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の実質的解除、武器製造の実質的解禁、憲法解釈変更による集団的自衛権行使の容認、アメリカとの軍事同盟の強化、辺野古基地建設の強行、警察権による盗聴行為の容認、米軍との地位協定固定化容認と核保有の法的容認等々安倍政権になってからの反民主義的暴政はとどまるところを知らない。国民の多くは、余りなまでの性急さに、考える余裕さえ与えられずに洗脳された状態になっている。頭の中には絶えず安倍がいて、良いも悪いもなく、その存在を認めるようになっているのだ。安倍、アベ、安倍と言う具合にその偶像化が進んでいるということだ。ドイツの宣伝相ゲッペルスではないが、嘘も百篇繰り返せば真実になるという現象が、現実に起こりつつあるということである。
だから、安倍の存在は、政策云々の問題ではなく、植え付けられた記憶として残されているので、政策が失敗しようが成功しようがは大勢に影響しないという結果を生むようになった。こうした状況を作ったのが「日本会議」であり、その恣意によるサブリミナル攻撃であったと私は思っている。野田政権の悪いイメージが強すぎるので、替りわりなしとして安倍を選択しているというのは、現実的ではなくなっている。そんなものは、過去の話である。―基本政策への支持が少なくても高支持率を保っている―要因は、ここにあったのである。安倍の存在が国民の深層心理に根付かされてしまったということだ。メディアの責任が重いのは当然だといってもよい。
仮に安倍でなく、橋下徹をもってきたらどうであろうか。その際も、「日本会議」にその恣意があれば、安倍と同様な結果を生むに違いない。偶像は、その時代を反映(右派的強権指向)できる雰囲気を要していれば誰でもよいのである。だから、最早、政策だけで安倍政権を倒そうなどは夢でしかないということだ。敵は安倍にあらず偶像を作り出している「日本会議」だと思わなければならない。参議院議員の山本太郎氏も「日本会議」の草根運動には警戒しろと警告を発している。見るべき人は見ているということだ。草の根運動が、サブリミナル現象を引き起こしていることに気づいているのかもしれない。
ここまで述べれば、安倍内閣の高支持率の不思議も、ヘイト攻撃の本質も理解していただけたと思う。繰り返すが敵は安倍や公明党にあらず、黒幕の「日本会議」だということを強調しておきたい。安倍自民党や公明党等はその走狗でしかないということだ。併せて、サブリミナル効果が相当に浸透していることを認め、その上での対応が迫られていることを、肝に銘ずべきとも言いたい。つまり、闘い方を変えよということだ。政策一辺倒では戦えないと自覚せよということでもある。
私の呼びかけや警告は、大げさではなく、平和を愛し戦争反対を唱えて行動する、全ての人々へのメッセージである。例え私見であろうとも、メッセージの中に一片の真実が含まれていると信じて投稿を続けているのだ。ということで、素人故の乱脈乱文は切にお許し願いたい。
長くなってしまったので、黒幕「日本会議」そのものについては、次としたい。