そのせいか、私の場合は、腰にボードをあてがいそれをサラシでぐるぐる巻きにして固定し、全身を揉みほぐすという対応でしかなかった。ギックリ腰?というものに初めてお目にかかり、その痛さや不自由さに閉口した私は、それこそ藁にも縋りたい想いで訪れたのだが、その対応には唖然とさせられた。知らないこととは言え、レントゲンぐらいは当然と考えていたのである。もちろん、注射や薬をもである。
腰を締め付けたことで、幾分かは痛みが薄らいだ。でも、痛くてどうしようもない状態に変わりはなかった。「注射や痛み止めの薬は?」、私の問いに答えず、「時間がかかりますので、しばらく通ってください。」と告げられた。別に不親切でもなかったので、そんなものかと、次の日も訪れた。トイレに行っても、お尻の始末もままならない状態なのに、同じ処置しかしない対応に私は不満を持ったが、翌日も通おうかと思っていた。
『昨日も貰えなかったけど、会社に出す都合があるので、領収書を下さい。』と言う私の要望に、『うちは月に一回まとめて出しているので、その都度には出していません。』と返答された時、私の中で何かがはじけた。予期しない返事だったので、疑問が湧いてきて、ここは信用できないのではとの思いに駆られてしまった。薄れかけていた痛みが、激しくぶり返してくるような、そんな想いであった。
3日めには、通いつけの診療所に行った。レントゲンを撮って説明を受けてから、注射を打ってもらい薬剤投与の処方箋をもらった。いつもは、高血圧の治療ばかりだったので、整形外科があったことを忘れていたのだ。このことで、痛みは驚くほどに薄れたが、日常生活を取り戻すには、まだまだの状態が続いた。再度痛み止めの注射をうってもらい、タクシーの乗務に戻ろうと試みたが、座席に腰が沈むことで痛みが増して、仕事どころではなかった。
『2~3週間はかかるから、焦っても仕方がないよ。』、顔なじみの担当医が、慰めるかのようにそう言った。と言われても、最悪の売り上げ状況であるタクシー業界だけに焦らずにはおられないのだ。10日ほどして、何とかなると車で出勤したが、会社にたどり着くまでの50分ほどで腰が凝ってしまい、そのまま帰宅という情けない始末になってしまった。
発症から2週間を経過した今は、痛みもそれ程ではなくなり、日常生活も正常になりつつある。担当医とも話し合って、痛みを庇うことでますます歪んでしまった骨盤や背骨を矯正したり、固まった筋肉を解きほぐすために、マッサージを受けている。別の整骨院で施術を受けているが、効果はあるようで、もう少しの我慢で痛みから解放されそうだ。……焦らず焦らずにである。付け足しのようであるが、この整骨院でも、領収書の発行は月に一度のことだと言う。整骨院とは、そういう業界なのだろうか? だとしたら、私は、前の整骨院に対して、失礼な感情を抱いてしまったのかも知れない……。
写真は、2月に訪れた[商売繁盛で笹もってこい!]で有名な西宮の神社であるが、お賽銭が足りなかったのか、私の腰までにはごりやくがなかったようだ………。
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